神尾真由子&ミロスラフ・クルティシェフ 2010年デュオリサイタル
11月7日(日) 於 サントリーホール
世界ではたくさんの音楽コンクールが開催されていて、一流の音楽家を目指す多くの若者たちが挑戦しています。
その中でも、もっとも歴史と権威があるコンクールのひとつとして世界的に有名なのが、4年に1度ロシアで開催される「チャイコフスキー国際コンクール」です。
今日は、前回2007年の第13回チャイコフスキー国際コンクールにおいて、ヴァイオリン部門で優勝した日本のヴァイオリニスト・神尾真由子さん、そして、同じくピアノ部門で1位なしの2位という最高位を受賞したロシア出身のピアニスト・ミロスラフ・クルティシェフさん、この2人の若きスターが、一緒にリサイタルを行うということで、東京・赤坂のサントリーホールにやってきました。
そしてそして、今日はなんと、コンサートの前に、2人のアーティストがステージで行うリハーサルを見学できるのです。
コンサート本番に向けて、プロの音楽家が音を作っていく様子など、普段めったに見られないこと。
ジャパン・クラシック・フェスティバルのホームページをみて応募してくれた、9歳から12歳までの4人の子供たちがお母さんと一緒にサントリーホールにやってきました。

今日のコンサートは午後2時から。それに向けてお昼頃からステージでリハーサルがはじまりました。
普段は約2000人のお客さんでいっぱいになる立派なホールに、この時間は、ステージの2人と見学している子供たちとお母さん、そして数人のスタッフだけです。
神尾さん、クルティシェフさんの2人は10月29日から日本全国をツアーでまわっていて、今日のコンサートは7回目、ちょうど半分を折り返したところです。 6回も既に本番の公演をこなしていますが、2人の表情は真剣そのもの。ヴァイオリンとピアノのデュオは、当然ながら、2人の息が合わないと良いハーモニーを生み出すことはできません。
日本とロシア、まったく違う文化、言葉で育った2人ですが、100年以上前の偉大な作曲家の想いを理解し、より良い音楽を追い求める姿は同じです。
時折、曲を中断して、ドイツ語、そして少しだけロシア語を交えながら話し合います。
リハーサルでも、ピーンとはりつめた緊張感のある空気に、見学した4人の子供たちもステージの2人に釘付けでした。

リハーサルは約1時間ほどで終了。
最後にステージの上で、見学の子供たちとアーティストで記念写真を撮ることができました。
また、子供たちは、サントリーホールの楽屋や、大きな楽器を積み込みする場所などを見学。
コンサートを作りあげる人たちの仕事場を見ることもできました。
そして、時計はまわって午後1時30分。2時からのコンサートに向けてホールが開場します。
たくさんのお客さんが、ぞくぞくホールに入ってきます。

サントリーホールは世界的にも有名なホールで、たくさんの世界の一流音楽家たちが名演をくりひろげてきた、
多くの音楽家たちのあこがれの舞台です。
リハーサルを見学した子供たちも客席について、こんどは本番のコンサートを体験しました。
今日のプログラムは、ロシアの作曲家・チャイコフスキーの曲を2曲、そして、ベートーヴェンの有名なヴァイオリン・ソナタ第5番「春」。そして、ドイツの作曲家・ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番でした。
たぶん、とっても難しい曲なのだと想像できるのですが、ヴァイオリンの神尾さんはそんなことは微塵も感じさせないエレガントな、それでいて力強い演奏です。
それをピアノのクルティシェフさんがヴァイオリンと会話するように、そして一緒に歌うように掛け合い、2人の演奏は、ぴったり息が合って、若々しさにあふれた素晴らしいものでした。
曲が終わると「ブラボー!!」という声が客席から飛びかいます。
これは、クラシックの演奏気やオペラで、本当に良い演奏をした音楽家を賞賛するために、お客様からかけられる
かけ声で、もともとはイタリア語だそうです。
お客様の拍手もなかなか鳴り止まず、アンコールを3曲も演奏してくれました。
リハーサルとコンサート両方を見た中学2年生の高根くんに感想をききました。
高根くんは自分も3歳から長くヴァイオリンを習っているそうです。普段は練習で疲れてしまうことも、たびたびあるそうなのですが、みっちり真剣にリハーサルをやった後に、本番も難しいプログラムをこなす神尾真由子さんのパワーに驚いたと言っています。
弓を動かす腕の動きがとてもしなやかでやわらかく、だから疲れないのかな、とも。
高根くん、ぜひ、今日見たことをヴァイオリンの練習に役立ててね!
そのほかの3人の子供たちとは話はできなかったけれど、プロの演奏家が音楽を作っていく様子と、その成果であるコンサートの両方をみるという経験を通して、何かを感じてくれればいいなと思います。
今日のアーティストの2人は、世界的なコンクールで栄冠を手にして、世界から期待され、活躍する素晴らしい才能の持ち主だけれど、彼らがここまできたのはその才能のおかげだけではないはずです。
今日のリハーサル、コンサートを通して見ることのできた、真剣に音楽と向き合って、納得のいくものを生み出すために、挑戦し続ける前向きな姿は、私たち大人にも、自分が好きなこと、信じたことを一生懸命やってみることの大切さを思い出させてくれるものでした。















